Q:ボランティア活動や自然との触れ合いをしているイメージがあるボーイスカウトに、息子を入隊させようかなと考えています。将来子どものためになるとすごく思うんですけど、実際のところどうなんでしょうか?
「ボーイスカウト」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。
駅前で募金活動などのボランティアをしていたり、山へ行きキャンプをしていたりなどのイメージがある人が多いのではないでしょうか?
しかし具体的にはどんな団体で普段はどのような活動をしているのか謎に包まれている印象もあるでしょう。
今回は5歳から高校生になるまでの10年間ボーイスカウトに所属し実際に活動していた私が、大人になってからボーイスカウト活動を振り返り学んだこと・得たものを皆さんにお伝えします。
ボーイスカウトは様々な活動母体があり、所属する組織が違えば文化・風習も異なるため一括りにはできませんがここでは私の実体験を元に説明させていただきます。
今まさにお子さんをボーイスカウトに入隊させようか考えられている親御さん方の力に少しでもなれれば幸いです。
以下が【ボーイスカウト活動から得たこと】になります。
サバイバル力
ボーイスカウト活動の目玉イベントの1つに”キャンプ”があります。
山や川に行き、自分達の力で何日間か生活をしていくのですがその経験を得て、どのような過酷な環境でも生きていく力を培ったように思います。
印象的なキャンプは以下の通りです。
- 奥多摩でひっそりキャンプ
- 年始早々雪山登山!
- 神津島1周キャンプ!!
いきなり何もない野山に放り出されるのは酷なので、よく皆で東京奥多摩にあるキャンプ場で土日を使ってキャンプをしていました。
これは夏休みに1週間のサバイバルキャンプを決行するための練習でした。
それでも周りの友人がぐっすりベッドで眠っている中、山奥の寝心地の悪い寝袋の中で眠ったことがあるからこそ、どんな劣悪な環境でも寝られることができるようになったのだと思います。
年始には雪が降り積もっている山にアイゼンを付けて登っていました。
これも学校の友達がこたつでヌクヌクしている間に行っていたため、「年始早々何をきつい山登りをしているのだろうと」と考えてしまう時もありました。
しかし雪山の山頂に到着した時は、「皆今頃寝正月をしている間に、自分は皆が見たこともない美しい景色を一緒に頑張った仲間と観ているのだ」という気持ちになっていました。
夏休みには、東京を離れて1週間ほど過酷なサバイバルキャンプを行います。
中でも20代~30代のリーダーと合計20人程の仲間とともに神津島(東京都の離島)1周キャンプに行ったことはとても良い思い出です。
自分の体と同じくらいの大きさのリュック(テント・衣服・調理器具などが入ってる)を背負い、1週間自分達の力だけで衣食住の全てを回していきます。
料理が下手とか火がおこせない、荷物が思いなどの弱音を吐いていても誰も助けてはくれず、自分でどうにかしなくてはいけません。全ては生きるためです。
以上のような過酷なキャンプを経験したからこそ、今の私はどのような環境下でも生きぬいていける自信があります。
楽しみを見出す力
ボーイスカウト活動はリーダーと呼ばれる大人(20代~40代くらい)がいます
リーダーが企画立案してくれたものを一緒に楽しむこともありますが、自分達で1日何をするのか決めることもあります。
何もやることがない状態から、どうやったら他の仲間が楽しめるのかを考えることを求められました。
またキャンプには基本的に遊び道具は持っていかないようにされていました。
当時はなぜゲーム機を持っていってはいけないのか疑問に思っていましたが、今振り返れば誰かが創った楽しみではなく何もない中から自分達で楽しみを見出す力を養うことができたと思います。
料理スキル
キャンプへ行くと自分のご飯は自分で作らなければいけません。
キャンプへ行った時に重宝されるのは料理上手な人です。
そうすると自ずと普段から料理をして腕を磨くようになります。
また、食材や火力・料理器具などが限られている中での料理経験があると、キッチンでの料理はものすごく簡単になります。
自然への敬意
「自然は時に残酷で、時に偉大になる。」
こんなことを思うようになります。
冬場のキャンプでは非情なまでに寒さを与えてくる一方で、火をおこすことができれば温かみと安心を得られます。
水がなくなってきて喉が渇いている時に飲む、自然の水は神が流した慈悲の涙かと思うぐらい尊く感じられるものです。
自然と接する機会が減ってきた現代社会では、自然の存在の大きさを忘れがちですがボーイスカウト活動を通してそれは明確にすることができます。
日常への感謝
自然への偉大さを実感するとともに、いかに今の環境が快適なものになっているかを知ることになります。
キャンプへ行くとごつごつした地面の上に敷いた寝袋、寒さが覆う環境で太陽が沈むとともに眠りにつきます。
しかしキャンプから帰還し、一番最初に感動するのはフカフカのベッドで寝られることでした。
電気を付ければ夜更かしも可能、少し歩けば腹を満たす食材をコンビニで24時間調達可能です。
今の環境に不満をたれる人もいますが、いかに恵まれた日常を送れているのかを心から実感し、人類の叡智に感謝の念がでるようになります。
企画力
中学生ぐらいになると、リーダー任せではなく自分達で企画・実行することが多くなります。
自分がやりたいことと皆が楽しんでくれそうなことの折り合いをつけながら、企画書(目的・内容・費用など)を作成してリーダーの厳しいチェックを受けます。
ただアイデアを出すだけでなく、リスクや実現可能性をしっかり考えていくことの大切さを学ぶことができました。
責任感
ボーイスカウトでは基本的に隊を組んで活動していきます。
隊の中で年上として引っ張っていく立場になると、自然と責任感が芽生えます。
隊のメンバーを楽しませたい。キャンプで脱落させたくないなどです。
スポーツなどによっても責任感を培うことは可能ですが、勝負がなく自然との共存を行うキャンプではまた一味違った責任感を感じることでしょう。
広い人脈
学生時代はどうしても学校のコミュニティで人脈が形成されがちですが、他校の人と直接交流ができるのは貴重でした。
またガールスカウトも男女別学の学校のように一緒に存在しているので、女子との交流もできます。
リーダーの中にはボーイスカウト・ガールスカウト時代からの関係で大人になってから結婚した人もいたので密な交流ができます。
また、ボーイスカウトは小学生~大学生の学生が名称を変えて存在しているので、幅広い価値観・年齢層の人と交流できます。
宗教への理解
ボーイスカウトの発祥がキリスト教であることから、その活動拠点は宗教に関係することが多々あります。
実は私は引っ越しの関係で、ボーイスカウトの拠点を1度移転したことがあります。
小学生の頃は主に国家神道の1つである組織の元、中学生になる前からはキリスト教を活動拠点としている組織の元でボーイスカウト活動をしていました。
大人になってからは宗教に関することはあまり口にしないことを善とする日本文化がありますが、子どものころは特に先入観なく宗教活動の一部を体験していました。
違う活動拠点でボーイスカウト活動をしていたこともあり、それぞれの価値観や活動に対して興味・理解を示すことができるようになり、多様な物事を受け入れる基礎ができたと思います。
最後までやり遂げる力
ボーイスカウト活動では時に試練を与えられます。
私の場合進学する場合に、試練を与えられました。
その1つとしてオーバーナイトハイクがありました。
奥多摩の武蔵五日市から東京都心の活動拠点まで、スマホの代わりに地図とコンパスのみを持ち夜通しで歩くのです。
足の疲労、地図の読解、空腹などの壁を乗り越えて最後までやり遂げることができた時の達成感は格別です。
このように、試練を与えられてそれを最後までやり遂げることがで、どんなことでも目標達成をするまで諦めずに成すべきことを成すだけの自信がつきました。
以上が私がボーイスカウト活動から得られたことになります。
冒頭でも述べたように、ボーイスカウトは様々な活動母体があり、所属する組織が違えば文化・風習も異なります。
しかい私は小さな頃にボーイスカウトをしていてよかったと心から思っています。当時の経験が今の私の核となるものを創り上げてくれているからです。
一般的なボーイスカウトの情報に関しては、以下のサイトを参照にしていただければ幸いです。
それではSee You Next Time!!
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