世界的名著「スマホ脳」を考察

スマホを利用していることによって私達の脳はどうなってしまうのでしょうか?

今回は今世界的に注目されている著書「スマホ脳」の文章から気になった部分をピックアップして考察していきたいと思います。

私もスマホの利用時間は年々増えていっており、このままだといわゆる「スマホ依存症」になってしまうのではないか?又はすでに依存症を持っているのかも?と日ごろから思っており、本屋で「スマホ脳」というタイトルを見た瞬間に購入をしました。

前置きはさておき、さっそく本書を引用しつつ一緒に考察をしていきましょう。

うつ症状は感染症への防御?

うつのリスクを高める遺伝子には免疫を活性化させるものもある。うつと免疫には予想外の遺伝子的繋がりがあったわけだ。ということは、脳にとってうつは感染症から身を守るための手段なのかもしれない。

P.62

うつ症状を患ったことはありますか?私は体験したことありませんが、社会人になって配属された1週間後の隣に座る先輩社員がうつ症状を訴え半年ほど休暇をとっていました。

多忙な現代人にとってうつは日常に潜むものとなっていますが、本書ではこのうつ症状が実は感染症への予防としての身体の反応という結果を提示しています。

思うにうつ症状を患うと、基本的には部屋に閉じこもりますよね。その行動に仕向けるのは、脳が遺伝的に外部のストレス・感染症などから身を守るため、ということなのでしょうか?

ただこの「うつは人間を助けるためのシステム」という見解は実際に症状を患っている人からしたら、あまり信じたくないこととなりそうです。

期待したがる脳

報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれでもなく、それに対する期待だ。何かが起こるかもという期待以上に、報酬系を駆り立てるものはない。

P.74

スマホ上で見られるInstagramやTwitterなどのSNSは脳の報酬系を巧みに利用していることが説明されている章にて上記のように「期待」に対して説明があった。まさしく「大金が手に入るかもしれない!」「美味しいものが食べられるかもしれない!」「美女とセックスできるかもしれない!」「認めてくれるかもしれない!」「新しく○○ができるかもしれない!」といった期待する気持ちそのものが私達を行動に移させる。

Instagramを私もよく利用しますが、「他の人が何をしているか知れるかもしれない!」「面白い投稿が見れるかもしれない!」「自分の投稿を皆が見てくれるかもしれない!」といった期待にまみれた行動をしているということを自覚しました。

集中力は貴重品

“気を散らされる存在が当たり前になると、それが存在しないときでも強い欲求を感じるようになる。現代社会では集中力は貴重品となってしまったのだ。”

P.97

スマホはまさに気を散らされる存在の代表でしょう。

仕事中にSNSの投稿が気になる。ご飯中にもSNSでの返事が気になる。などなど。

実は私の職場では機微な情報を扱うこともあり、スマホ及び通信可能な電子機器類はロッカーにしまうのが義務づけられています。なので他の人よりはスマホがないことに慣れていますが、それでも1時間を超えたあたりからスマホの様子が気になり、トイレに行くついでにスマホチェックをしてしまうのが日常茶飯事です。こう書くとすでにスマホ依存なようが気がしてきました。

そんなスマホ気になる症候群の人達に本書では「チャットやメールを確認するのは1時間に1回のペースにするなど決めておき、常にスマホチェックをしないようにする」ことを推奨しています。

噂話は自己防衛

私たちの会話の8割から9割は、自分の話か他人の噂だ。私たちはゴシップが大好きなのだ!ゴシップという言葉はネガティブに響くが、不当に悪い評価を立てられている気もする。ゴシップが人間を生き延びさせてきたのだから。

P.129

私も人の悪口は好きではないのですが、上記のように生存のために噂話が利用されていると言われるとぐうの音がでません。確かに、今と比べて昔は人を襲うことが多かったでしょうから他の人がどいう人なのかを皆で共有しておくことは生存に有利だったのでしょう。

私達が嫉妬するもの

私たちは何に嫉妬するのだろう。新しい車や改装したてのマンション?どちらでもない。嫉妬を感じるのは他人の体験だ。

SNSを利用している1/3はネガティブな感情になっていたという。その正体が「嫉妬」とのこと。確かに他の人と比較して自分の優越感で幸福を保っている人にとってはSNSは地獄かもしれません。

そして何よりも「体験」を投稿されるのがこの手の人にとってはダメージが大きいらしいです。そう言われると比較でマウントをとってくる人に向けて体験投稿を沢山したくなってしまうのだが、よしておきます。

SNSの正しくない使い方

他人の写真を見るだけで、自分は写真をアップしないし議論にも参加しない消極的なユーザーは、積極的なユーザーよりも精神状態が悪くなりやすいようだ。

P.147

つまりSNSは人と交流する場であって、ただ見る専として傍観しているだけだと自分のメンタルにダメージを与えていることになります。

そうとも知らない消極的ユーザーは今日もメンタルカットを繰り返すのです。

SNSの正しい使い方

それ以外の場所で他の人からしっかり支えられている人は、SNSを社交生活をさらに引き立てる手段、友人や知人と連絡を保つための手段として利用している。

P.148

SNSはあくまでも2番手で、1番手は自分のリアル人生とすべし!ということでしょう。

しかし、私はSNSやネット上が1番手としての人生であっても良いと思います。SNSやネット上で生き生きと過ごせていけるのなら、その世界で生きていくのもその人の人生だと前々から思っています。ネットについてネガティブな感情ばかりを持っている人は、過去に何かしらにトラウマがあるか上手にネットを利用できていないだけの人なのでしょう。

SNSでの本当の商品

フェイスブック、スナップチャット、ツイッター各社の製品は、あなたが自由にメッセージや画像をシェアし、デジタル承認欲求を満たすプラットフォームをのものではない。「あなたの注目」こそが、彼らの製品なのだ。それを様々な広告主に転売できるよう、メッセージや画像、デジタル承認を使って注目を引く。”

P.159

広告主からお金をもらっているからSNSユーザーが無料でプラットフォームを利用できるのではなく、順序が逆でSNSユーザーをあらゆる手で翻弄して時間を搾取することで広告主から金銭を得ることができるようになっているということらしいです。

つまり最初からSNS運営は私達のためになるものとして提供されていないのだということです。

この事実を本書で知ってから少し寂しくなりました。SNSで自由に自己表現できる素晴らしい世界を開発企業は目指していたのではなかったのか、、、と。

テクノロジーとの歩み方

テクノロジーがどのようにデザインされているかを気にしても無駄だと主張する人々もいる。テクノロジーはテクノロジーなのだから、人間の方が慣れるしかないのだと。だが、私はそれは間違っていると思う。テクノロジーは、好き嫌いに関わらず受け入れるしかない天気とは違う。テクノロジーの方が私たちに対応するべきであってその逆ではないはずだ。

P.160

私は上記筆者の意見に賛成です。あくまでも主は人間であり、それを支えてくれる道具としてテクノロジーがある。これが逆になることは人間としての死を意味すると思ういます。

そしてテクノロジーが私達人間をむしばむ例がスマホのブルーライトです。これで睡眠サイクルがくるってうつになる人も多々います。私はこれに対して抵抗するためにテクノロジー側に変更を最近加えました。やり方は簡単です。スマホの画面表示を白黒表示にし、夜間モードでブルーライトをカットしました。

このように私達はデフォルトであるテクノロジーを各自カスタマイズしていくことが今後求められるのではないでしょうか?

フェイクニュースが広まるメカニズム

今は新聞やテレビよりもフェイスブックでニュースを読んでいる人の方が多いが、そこには決定的な違いがある。新聞やテレビのニュース編集局は、どのニュースを報じるかを選択し、それが面白いかどうかだけでなく、真実かどうかも精査する。

一方、フェイスブックのタイムラインに流れてくるニュースは、コンピューターのアルゴリズムが選んだものだ。つまり、拡散される記事に書かれていることが真実かどうか、責任を持つ編集局はフェイスブックには存在しない。

P.164

上記のように記事を精査する人がいるか、アルゴリズムが勝手にレコメンドするかの違いは大きいです。私は何事も幅広いリソースを見てから判断したいため、SNSでのニュースも新聞社が運営する電子版新聞もチェックしています。しかし、やはり感じるのは記事の質の違いです。SNSやネット上でレコメンドされてくる記事はどれも自分の興味を持っているものだか、あまりにも内容が薄い。見出しにのっているものをきちんと解説していないものが多すぎです。記事を見終わった後に、「結局何がわかった?」という疑問が残ったまま次の記事を探します。

一方電子版新聞は質が濃いし納得感があります。

この差は明らかだが、本能的に私達人間はネットの薄っぺらい記事を選択し続けるのでしょう。情報リソースの選択にも私達の意志が試されています。

以上のように本書を読むことで得られるネットやスマホとの付き合い方に対する知見は多いです。

さらに本書の最後には筆者がオススメする脱スマホ脳の方法をいくつか紹介されています。

私もスマホ画面を白黒にしたり対策を始めました。

次は皆さんの番です。

それではSee you next time!!

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